保険診療
各症状について
円形脱毛症について
円形脱毛症とは、頭髪や眉毛などの一部分に10円程の円形や、楕円形の形に毛が抜けてしまう病気のことを指します。
症状が悪化することで、円形ではなく頭部全体に症状が出現することもあります。
円形脱毛症は、若い人に比較的多く、単発のものは数か月で自然に治癒する場合も多いという特徴もあり、脱毛斑が融合し進行するものを全頭脱毛症、全身の毛も脱毛したものを汎発性脱毛症といいます。
また、円形脱毛症とAGA(男性型脱毛症)、女性の薄毛は全く異なります。
AGAは、症状や進行度が異なります。
AGAの症状は、男性ホルモンの影響が大きく前頭部や頭頂部から始まり、頭部全体に薄毛軟毛化脱毛が長期的に進行していくのに対し、円形脱毛症の場合は短期間で脱毛し、周囲との見た目がはっきりとしているところが特徴です。
円形脱毛症の原因
円形脱毛症の原因については、様々な説があります。
現在では「髪の毛根組織に対して免疫機能の異常が発生する」という自己免疫疾患とする説が有力とされています。
免疫機能の異常をもたらす要因には、遺伝的要因が最も大きく関与しており、その他にも疲労や感染症などの肉体的、精神的ストレスなどがあります。
円形脱毛症患者の40%以上がアトピー素因を持ち、半数以上が本人や家族にアトピー素因が認められることから、アトピー素因と円形脱毛症の間には深い関連があるとみられています。
また、円形脱毛症はストレスが原因という印象がありますが、必ずしも関連があるわけではありません。一部では疲労や感染症などによるストレスが引き金となっている場合もありますが、原因が全くない場合も多いです。
円形脱毛症の種類
■単発型
頭髪や眉毛などに円形や楕円形の脱毛斑ができる、円形脱毛症の中で最も多いタイプとなります。
発症したほとんどの方が1年以内に治癒すると言われていますが、まれに次の段階である多発型に移行する場合があります。
■多発型
脱毛斑が2つ以上発生したものを多発型タイプといいます。
適切な治療を行っても、完治までは半年から 2年くらいかかる場合が多く、脱毛斑が結合し拡大する場合(多発融合型)もあります。
■蛇行型
脱毛斑の結合が細長く、後頭部から側頭部の生え際にそって蛇のように広がるタイプとなります。個人差はありますが、治療期間が複数年に渡る場合が多いです。
■全頭型
脱毛斑が頭部全体に広がり、最終的に頭髪が完全に抜け落ちてしまうタイプとなります。
非常に治りにくい例が多く、治療が長期に渡る場合が多いです。
■汎発型
汎発(ばんぱつ)型は、頭髪はもとより眉毛、まつ毛、体毛など全身全ての毛が抜け落ちてしまうタイプとなります。円形脱毛症の中では最も重度なタイプです。
治療方法
基本的には、ステロイド外用薬や光線療法で脱毛部位の免疫を抑えたり、アレルギー反応を抑制する作用や血流促進の作用がある内服薬を用いて治療を行います。
近年、重症の円形脱毛症にオルミエント(バリシチニブ)という内服薬を使えるようになりました。
また、円形脱毛症は症状に合わせて治療する必要があります。
脱毛斑が多発する場合や症状が重い場合は、自己免疫疾患の合併頻度が高いので、自己抗体の検査(採血など)を行う場合もあります。
脱毛斑の範囲が狭い場合や症状が軽い場合は、本人が気づかない間に自然に治っていることも多いです。
症状が長期間続いたり急に重くなる場合などは、症状に合わせて適切な治療を行う必要があります。医師と相談しながら治療方針を決めていくことをオススメします。
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